オハイオ州立大学が企画・編纂した『Source Books in Architecture No.14: Rem Koolhaas / OMA + AMO Spaces for Prada』は、『Source Books in Architecture』シリーズの最新刊です。当書では、プラダと長年築いてきた関係性、そしてその関係の初期段階で掲げられた目標で今も変わらないものと変わってきたものについて語られています。話題の中心は、OMAがプラダ、ミュウミュウ、プラダ財団と共同で開発または完成させた数多くのプロジェクトであり、そのほとんどはファッションショーや展覧会の形で発表されるインスタレーション規模のイベントです。こうしたプロジェクトの課題は、OMAが大規模で恒久的な建物に政治的・文化的アジェンダを組み込む取り組みを維持していくことです。文字通りイベントの背景としてのこのような会場の短命性と役割を考えると、これらのプロジェクトは、建物の恒久性を欠きながらも可能性を秘め、イベント、場所、コンセプト、商品、演出、観客、照明、物質性などを含め、より大きな文化的議論に貢献する建築開発に向けた理想的なシナリオだと言えるでしょう。
n° 73 - 2022年1月19日