ミュウミュウファッションショーの物理的な会場とバーチャルな会場をアーティスト メリエム・ベナーニの作品が引き立て、レンズを介した親密な関係性が探求されています。ベナーニは、ミュウミュウ ライブストリーム配信を担当し、コレクションに合わせて、自分の母を起用したアーティスティックなビデオシリーズを制作しています。ビデオは現実の時間と配信されたショーを融合させ、現実とバーチャルの境界をあいまいにしています。AMOの設計によるキャットウォークは、いたる所にイームズのオフィスチェアが配置され、イエナ宮の建築空間を蛇行しながら、働く場所としての機能を強調しています。双眼鏡の形をしたスクリーンが空間を遮断し、アーティストのビデオが現実の世界に投影されるのと同時に、ショーの現実のエクスペリエンスは、変形され再編集されます。コレクションのアイテム同様に、これらのビジュアルカットは新しい創作を形成し、あたかも現実をモンタージュしたようにその認識を変化させます。会場で使用された素材はイベント後に、ファッションショーで使用した素材や装飾を回収して修復するサービスを提供する団体、La Reserve des Artsの協力により回収され、文化分野の専門家や学生に新たな用途で再利用されます。
n° 70 - 2021年10月13日