ミウッチャ・プラダによるミュウミュウ 2021年秋冬ファッションショーは、さまざまな女性たちを通じて多様な人々を結び付けます。そこから、ユニークなビジョンが生まれました。壮大な山々に挑む旅、雪の中でのファッションショー。夢の「ミュウミュウマウンテンクラブ」が結成され、ドロミテアルプスの中心部、コルティーナ・ダンペッツォの絶景を探求する過酷な旅に挑むモデルの勇敢な姿がフィルムに映し出されます。それは逃避、夢の世界、空想が現実になることを表します。厳しい天候に備えたスタイルに身を包んだその勇敢な姿は、コレクションそのものです。知覚と環境へのファッションの可能性を描き出します。さまざまな意思、さまざまな夢と現実を融合させたウェアがそれぞれの個性を作り上げます。外見と内側、あるいは魅惑的であったり保守的であったり、それぞれの女性の中に秘められた多彩なアイデンティティを表現しています。そして、1人1人が同志に引き寄せられ、個人が集団となって お互いの繋がり、絆が生まれます。そして一つとなって一緒に歩き始めます。スポーツウェアとファッションの融合。これらの言語が組み合わさった時に内在的な緊張感が生まれ、誇張によって実用性にロマンが加わり、脆弱なものが勇敢なものに生まれ変わることができる幻想の世界へと誘います。功利主義は美しさと楽しみをもたらし、装飾には理性と新たな目的が生まれます。パッド入りのスポーツウェアには、ランジェリーの幻想にあるサテンとパステルカラーを取り入れ、鎧のようにメタルスタッズで覆われた厚手のウールで作られたスリップドレスは、戦士のランジェリーを思わせます。強さと弱さ、勇気と攻撃性。私たち誰もが抱く空想の中に存在する現実。現実的な空想。ミュウミュウ 2021年秋冬フィルムは、エムエムパリスとベンジャミン・クラカンによる共同作品です。
n° 63 - 2021年3月12日