プラダ・グループのマーケティング統括担当を務めるロレンツォ・ベルテッリと、プラダジャパン株式会社社長のダヴィデ・セシアは、ミラノ工科大学経営大学院IMLuxの学生に対してオンライン講義を行いました。それぞれ、プラダ・グループのマーケティングに対するアプローチについて、そして日本のラグジュアリーマーケットについて、というテーマで講義を行いました。ロレンツォ・ベルテッリは、マーケティング戦略について、「ブランドのアイデンティティに忠実であり続けなければ、消費者からの理解を失うことになります」と述べました。またその一方で、リスクを恐れず、自身の創造性を発揮してブランドの魅力をアピールすることも必要である。企業がマーケティングのみを重視して選択を行う場合、会話をリードすることはできない、との見解も伝えました。そして「絶え間なく変化する社会を反映するクリエイティブな企業であるには、現代的な文化とそれに対する観察眼を持つことが不可欠です」と語りました。プラダジャパン株式会社社長のダヴィデ・セシアは、日本のラグジュアリーマーケットについての深い洞察力を披露しました。特に女性向けのマーケットについて紹介しました。講義では、日本のラグジュアリー業界が、文化的な伝統と社会的な役割の両方によって支えられているということが示され、日本社会に強く根ざしているアイデンティティを考慮に入れて西洋的なラグジュアリーの概念の再解釈を行う必要がある、ことが語られました。そして、しめくくりにセシアは「日本においては、ラグジュアリーの定義において価格はさほど重要ではなく、むしろユニークさや特別感のほうが重要な意味を持ちます」と説明しました。